風の色。

なぜだろう。 
 吸い込まれるほどの青い空に吹く風は、透き通るように蒼いのか。

なぜだろう。
 鼠色の雲に感じる虚しさを追いかける風は、味の無いモノクロなのか。

なぜだろう。
 真っ赤に染まった帰り道の空に寄り添う風は、こんなにも温かな橙色なのか。


風の色って何色なんだろう。
空を見上げると風の色が見えてくる。木が揺れる。水面が揺れる。雲が流れる。
歩けば聞こえてくる。走れば触れる。

風を見るとき。感じる時。ふと立ち止まり考える風の色。


ふと立ち止まって目を閉じたら、
    吹いてくる風は無色で冷たいだけだった。


目を開けてみる。
どこまでも走ってみる。
そして、風の色を探してみる。

きっと、

そうすればきっと、

君色の風は、
君色に染まって、
力強く、背中を押してくれる綺麗な「君だけの色」の追い風になってくれるはず。


さあ、風の色を見に行こう。
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